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サイバーエージェントが中堅企業・スタートアップ支援の新会社を設立した狙い【CyberACE 西島大】

サイバーエージェントは5月、連結子会社として全国の中堅企業やスタートアップ企業を対象に広告活動の支援を行う新会社 サイバーエースを設立した。大手企業を支援するイメージの強い同社が、なぜ今回の新会社を設立したのか。代表取締役を務める西島大氏に、話を聞いた。

- 新会社サイバーエースを設立した理由を教えてください。

これまでサイバーエージェントは、デジタル広告予算の多い企業を支援する機会が多く、正直なところスタートアップ企業から相談がきても、営業リソースの関係から対応できないことが企業課題として存在していました。しかし、サイバーエージェントグループとしてデジタル広告のオペレーション部隊を数100名規模で抱えるなど、体制が整ったことで支援できるようになったのです。

さらに、中堅企業やスタートアップ企業でGoogleやFacebook、Twitter、LINEなどを活用したいというニーズが高まり、アカウント数も伸びています。ただ、一度活用したものの運用ノウハウがないため成果が出ず、継続的に活用できないという声も聞きます。そこに、我々のノウハウが提供できると考えたのです。

- 対象となる企業の規模・業種を教えてください

規模に関しては、明確に決めておらず、単月数10万円から数1000万円まで幅広く受け付けていくつもりです。同様に業種もEコマース、人材、教育、ゲーム、メディア、クリニック、BtoB、BtoCなど制限は設けません。成果が出て予算規模が拡大した場合、顧客の要望を最優先に考慮して、本体のサイバーエージェントと連携していくことも構想として考えています。

− 西島さんが社長に就任した経緯は何でしょうか。

もともと私は、大阪で3年間、福岡で6年間半ほど営業を担当してきました。地域の新規クライアントの開拓に力を注ぎ、九州にいながら北は北海道まで各地方の大手クライアントを獲得したこともあり、地域の状況に精通していたのです。

また当初は、サイバーエージェント本体の中の事業部としてスタートするという話もあったのですが、デジタル予算に応じてクライアントのニーズが大きく違う点で、最終的には新会社設立になりました。

− 具体的には、どのような広告商品を販売していくのでしょうか。

Yahoo!/Googleのリスティング広告や、SNSのインフィード広告など、我々の強みである運用面が生きる領域を強みに事業展開していく予定です。

基本的には、クライアントから問い合わせをもらう「プル型の営業スタイル」を強化していきます。ニーズがあるクライアントには、テレビ会議を活用し、ヒアリングや提案を行った上で訪問。その後は、オペレーションで成果を可視化しながら、効率的に支援していきます。

− 当初から全国規模で展開するのでしょうか。

将来的には全国展開ですが、年内は東京拠点に首都圏を強化していくつもりです。

現在は4人ですが、年内に採用を強化して数十名規模に拡大していければ良いなと思っています。来年には、大阪、福岡、札幌など大都市圏に拡大させていきます。ただし、オフィスを構える必要があるのかはお客さまと対話を重ねることで生まれる顧客ニーズを鑑みながら、検討していきます。より多くの事業主の方を支援できるように精進します。ベンチャー魂あふれる創業メンバーを絶賛募集しています(笑)。

地場の広告会社は、競合ではない

− 地場の広告代理店が競合になるのでしょうか。それらの企業に負けない強みは何でしょうか。

必ずしも競合になるとは思っていません。実は、過去に地場の広告会社から、「運用面でサポートしてほしい」という相談をもらうこともありました。これまでは組まないようにしていましたが、別会社であるサイバーエースであれば、一緒に仕事ができる可能性もあると考えています。

また、私たちの強みは、運用面で成果を出せることです。やはり東京と比べると情報格差があり、地方には広告プラットフォームのアルゴリズムやオペレーション、クリエイティブの情報がなかなか入ってきません。

我われは、サイバーエージェントの子会社であることを生かして、これらの情報をもとに中堅企業やスタートアップ企業に、高いクオリティのサービスが提供できると思っています。

− 最後に、今後の展望について教えてください。

2020年に全国47都道府県に対象地域を拡大していきます。現在は、既存クライアントの一部企業を引き継いでいる状況ですが、我われが担当することで可視化されていないニーズを汲み取っていけるはずです。

また、テクノロジーの活用で、可能な限り作業を自動化して、クライアントの成果のために思考する時間を増やしていきたいと考えています。

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